家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2022/06/20


 亡親と同居していた実家を相続した後に売却する予定です。相続時の相続税の減額特例と実家を売却する際の注意点について教えてください。




 親が亡くなり、親と同居していた実家を相続することになりました。実家以外の財産も相続するため、相続税の負担が生じる予定です。実家については、一人で生活するには広いため売却を予定しています。
 ところで、実家を相続した場合に小規模宅地等の特例を適用することで相続税が減額すると聞きました。この小規模宅地等の特例の内容と実家を売却する際の注意点について、教えてください。なお、相続人は私のみです。




 小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす場合に評価額の最大80%を減額できる制度です。この特例を適用する場合には諸要件を満たす必要がありますが、その1つにご相談のケースであれば相続税の申告期限までその建物を所有し、居住し続けている必要があります。少なくとも、ご実家の売却等は申告期限まで待っていただいた方がよいと思われます。




1.小規模宅地等の特例とは

 小規模宅地等の特例(以下、本特例)とは、個人が相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用あるいは、居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利)が一定の要件を満たす場合、その宅地等の一定の面積までの部分について、相続税の課税価格に算入すべき価額の最大80%を減額できる制度です。

2.ご相談のケースの場合

 ご実家は、本特例の「被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」に該当するため、特定居住用宅地等の要件を満たす場合には、相続するご実家の敷地面積のうち330uまでは、土地の価額の80%を減額することができます。

 例えば、ご実家の土地の価額が5,000万円(面積 250u)の場合、本特例の適用ができる場合には、価額は4,000万円減額(5,000万円×80%)されます。

 上記のとおり、本特例を利用することが可能であれば、大幅に相続税の課税価格に算入すべき価額を抑えることができ、相続税が軽減されます。

3.注意点
(1)本特例を適用する場合

 ご相談のケースの場合は、同居されていたとのことですから、特定居住用宅地等の要件を満たすには、相続開始の直前から相続税の申告期限まで(被相続人の死亡を「知った日」の翌日から10ヶ月間)ご実家に居住し、かつその宅地等を所有している必要があります。
 よって、ご実家の売却仲介等を不動産会社に依頼される場合は、申告期限が到来するまで売却を待っていただいた方がよいでしょう。

(2)居住用財産(マイホーム)を売却した場合

 ご実家を売却すると、その譲渡益(譲渡所得)に対して所得税と住民税が課されます。

 この譲渡所得の計算においては、次のような特例が用意されています。これらは併用して適用することが可能です。

  • @居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
    (譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度)
  • A相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
    (相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる制度)

 ただし、今回のご実家の売却に伴い、上記すべての特例を適用するためには、一定の期間内に譲渡する必要があるなど、一定の要件を満たす必要があります。

 また、税額を計算する場合に、売却した土地や建物の所有期間が長い場合には税率が軽減される特例がありますが、この所有期間は被相続人の所有期間を引き継ぎますので、この特例が適用できるケースが多いです。

 各種特例を適用するには様々な要件を満たす必要があります。相続や相続した不動産の売却に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「小規模宅地等の特例」ほか

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